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Uliuli

ロック,ファッション,ビューティ,ライフスタイル,ダイエット,アメときどきネコ

私小説『にゃに』

 にゃんにもできずに過ごした日の夕方、私は私の布団こと寝袋に入り、眠りに就いた。

 別に眠るつもりはなかったけれど、そこに寝袋があったから、気づいたときには眠っていた。それはまるで吸い込まれるかのように。摂りこまれるかのように。

 蒼い薄いせんべい寝袋の中、白い柔い毛布を被さり、私は眠っていた。

 

 覚めたとき、23時。

 灯りをつけたまま眠っていたから、屋根の下テントの中は明るかった。オレンヂ色したその色は夕方を思わせ、とうに時間は経っていることを感じさせなかった。

 そのときスマホで撮った写真に残されている時間の記録だけが、そのとき23時であったことを私の記憶に告げ知らせてくれるのであった。

 

 そう。

 横にはネコ。寄り添うようにネコ。寝袋の外のネコ、寝袋の中の私に身を寄せて、眠っている。ほんのりと、ぬくい。

【白猫】

 喜んだ私はスマホを手に取るや否やカメラアプリを起動させ、シャッターを切っていた。

 白いネコはネコパンチの如くオテテを突き出している。眠っている。ネコパンチ? ――否、違う。いわば、ダブル・ネコパンチ。彼、否――彼女? 両手を前に突き出している。これぞ、ダブル・ネコパンチ。

 

 そして、重い――想い。

 足元にもネコ。漬物石のようにネコ。寝袋の上のネコ、寝袋の中の私の上に身を預け、眠っている。ぬくい、さやかに。

 私は動けぬこと山の如し。そのため、真直ぐにゴロンと寝転んだままムネの上、ウデを伸ばし高々とスマホを掲げると足元の方にレンズを向け手探りで、シャッターを切った。

【縞三毛】

 にゃんにゃん、これ……。

 縞のネコは微動だにせず、眠っているのか。ただのしかばねのようだ――否、違う。せんべいの如く薄い軽い私の寝袋越しに伝わる心の臓のトクトクと脈打つ優しい響き。音。ぬくもり。安心感。

 嗚呼、生きる。って素晴らしい。

 時間なら朝までたっぷりあるさ。睡眠かゴハンか睡眠か。……睡眠でいいや。けど電気切りたい。けどゴハンなってまうか……。

 ゴハンを盛って、電気を切って――。そうこうしていたら、朝が来た。

 

 にゃんてこったい/(^o^)\