Uliuli

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メッシュのナップサックとネコのカタチのリフレクター

 駅前のバスのロータリーの横断歩道の脇の植え込みの側で、そのネコは死んでいた。綺麗な顔のまま、目を閉じて、長々と横になって、まるで眠るように死んでいた。

 車両の通行の多いその横断歩道に信号はなく、人間だって、渡りたくてもなかなかスムーズには渡れない。歩行者を優先して通してくれる車なんて非常に少ない。

 何台もの車両が延々、高速で横切っていく様をぼんやり見送り、ようやく車両の列が途切れ、ようやく歩行者が横断歩道を渡る番が回ってくる。

 やっと帰れる。おうちに帰れる。早く帰りたい。みんなそうさ。

 

 ネコだって、きっと……。

 

 雨の日の夜の曲がりくねった田舎の一方通行の道路の電信柱のふもとで、そのネコは死んでいた。

 曲がりくねった狭い狭いそんな道さえ、飛ばす車は飛ばすし、それはそれは、轢くでしょうよ。

 土砂降りの雨に打たれ水たまりか血だまりかその上で、ぼんやり目を開いたままこと切れてしまったネコの黒い瞳を、私は見て、以来、思い出す度、悲しい……。

 

 夜、道を歩く。否応なく。私の横を車は通る。

 まだ死ねない。私はバッグに光を反射するリフレクターを付けている。

 車のヘッドライトに反射して視認性を高めてくれるリフレクターは、私にとって交通安全のお守りである。

 ちなみに私のリフレクターは、ネコのカタチをしている。

【メッシュのナップサックとネコのカタチのリフレクター】